蓄音機
1月末から2月にかけて九州に旅行に行きました。
その宿泊先で、生まれて初めて蓄音機からの生の音を聴く機会に恵まれました。
泊まった先は、湯布院の「亀の井別荘」。
木立の中に広がる施設の一角に「談話室」という建物があり、宿泊者であれば、いつでも本を読んだり、音楽を聴いたり、飲み物を飲んだりできるようになっています。
その場所で、夜の9時から蓄音機を使って音楽を聴かせてくださると聞いて、夕食後のワインが程よく入った状態で伺いました。
盤や針、その音質など、蓄音機にまつわるお話のあと、早速盤に針を落とします。
ザザザ…という独特のノイズが聞こえ、音が流れ出すと同時に、部屋中の空気がフワッと柔らかくなるような感覚に包まれました。
すぐそこに演奏者がいて、指の動き、口の動き、体の動きが伝わってくるかのよう。
暖炉の火の動きと、蓄音機からの音があまりに心地よくて、泣けそうでした。
何だろう…いろいろな場面が頭の中を心地よくグルグル巡るような、懐かしい感じ。
こんな機会、もうないかもしれない。
心地良く、とても貴重な時間でした。
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