法事

日曜日、昨年末に亡くなった義兄の一周忌と納骨を兼ねた法事がありました。
がんでした。
45歳でした。

何十万人に一人という珍しいものでした。
生存データがないけれど、逆に治すこともできるのではないか、という希望を捨てずに7年間がんばりました。
精神医学の博士でした。
筑波の精神福祉センターの所長でした。
一滴の水さえ飲めないくらい体中が痛かったはずなのに、延命治療はせず、モルヒネも最小限で、一度も辛いと言わず、最後まで病気と闘いました。
その姿勢そのものが患者さんにとっての生きる力につながると信じていました。

私は年末、子供の教室が終わると同時に筑波に行き、病院に寝泊して看病している姉の代わりに家で子供たちと一緒に居ました。
姉が午前中家に一旦帰るとき、病院で義兄を診ていました。
もう喋れない義兄に、祖父と父を同時期に亡くして寂しくなっていた私たち家族にとって義兄がどんなに明るい存在だったかということ、いつも一生懸命真面目なイメージの姉が結婚してから、とても楽で、幸せそうだったこと、それがとてもうれしかったこと、とても感謝していること…いろいろ話しました。
義兄はうなずいて聞いていてくれました。
私はその感謝の言葉をとても言いたくて、筑波に行ったのかもしれません。

義兄が息をひきとる瞬間、姉が「楽しかったね、楽しかったね、一緒に生活できて、本当に楽しかったね」と呼びかけました。

現在、姉家族は浜松に住んでいます。
姉は薬学の博士です。
さいわい浜松医大に職があり、一生懸命子育てと仕事に頑張っています。

昨夜はいろいろ思い出して、辛くて、ワインを飲みすぎて、夜泣きだして、今朝は顔がぱんぱんに腫れていました。

生きたくても生きられない人が居て、会いたくても会えない人がいます。
今の自分の幸せに感謝しようと思いました。





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